特別コラム 第3回【メッセージの重要性】
優れた考えを持ち合わせているが、その考えを上手くドキュメントに落とせないために、損をしている人を沢山見てきた。3ヶ月間必死に考え抜き、やっと迎えた最終報告会にて経営者と対峙したが、複雑で分かりにくいドキュメントのため、話を深く聞いてもらえなかった。こんな状況を目の当たりにしたこともある。
コンサルタントの仕事とは、様々な情報を入手し、考え、その結果をドキュメントにまとめてクライアントに伝えることである。ドキュメントは最終的なアウトプットとして、形あるものとしてクライアントに残り、プロジェクト関係者のみならず様々なステークホルダーに届いていく。ドキュメントの質がコンサルタントの質といっても過言ではないぐらい、ドキュメントは大きな影響力を持つものである。
とあるドキュメンテーション研修で、「リード文、メッセージにこだわって欲しい。一言一句に気持ちを込め、本当に最適な表現になっているか何度も確認しながらリード文を書いていって欲しい。」と講師が話していた。その研修に講師サポーターとして参加していたのだが、ある受講生より「ドキュメントの品質と作業時間のバランスが難しい。メッセージ一つに魂をこめろというけれど、限られた時間の中でどの程度こだわれば良いのか…」と質問が出ていた。
悪いリード文は2種類ある。どちらも「何を言っているのか分らない」という問題を引き起こすのであるが、1つは動詞や修飾語の位置を変えたり、不要な文字を削ることで解決する。読みづらい文章だったために、「何を言っているのか分りづらかった」というものであり、テクニカルな修正で解決できるものである。入社後間もないコンサルタントが、議事メモや報告資料を作成し、先輩コンサルタントにレビューされることで乗り越えていくことになる。
もう1つの悪いリード文は、テクニカルな修正で解決できるものではなく、やはり「何を言っているのか分らない」文章である。
調査結果として表や図をきれいにまとめているが、その表や図から読み取るべきメッセージが書かれていないドキュメント。とかく若手のアナリストが陥りがちだ。
一方、シニアなコンサルタントでも、とくに頭の回転が速すぎる(!?)人が陥りがちなのが、一枚のスライドにあれやこれや、いろいろな気付きや伝えたいことを散りばめすぎ、情報が散乱しているドキュメント。
この様なドキュメントを読み手が読むと、「何を言っているのか分らない」。
これは、書き手が「何を伝えたいのか」重要なメッセージが固まっていないのである。相手に何を一番伝えたいのか、(それ以上に重要なのは)相手に何を一番理解して欲しいのか、そのメッセージ、コンサルタントとしての提言が固まっていない。シンプルなメッセージを書けないのは、考えが浅い証拠だ。
ドキュメントにこだわる時間がないなどというのは、コンサルタント失格である。コンサルタントは、クライアントに対して解を提示しなければならない。ドキュメント(のメッセージ)の質=解の質である。ドキュメントというものは、メッセージにこだわらないで何にこだわれば良いのか、というほど重要なものであると私は思っている。もちろん、綺麗な図や表を作成する時間は限られているが、リード文だけは、決して手を抜いてはいけないものである。自戒の念をこめてお伝えしたい。











