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コンサルタントのススメ 特別コラム

アビームコンサルティング株式会社
水野 美歩氏 (シニアマネージャー 経営改革セクター)

大学卒業後、大手総合商社に就職。中国を中心としたアジア圏で輸出入業務を担当。
2000年デロイト トーマツコンサルティング(現:アビームコンサルティング)入社。
以来、業務改革プロジェクトを数多く経験し、2010年より現職。
現在は、中国を中心と したアジアへのビジネス展開を計画する日系企業を中心に、コンサルティングを行っている。


特別コラム 第4回【研ぎ澄まされたメッセージ】

「今回の報告書は、スライド2枚でお願いします。」

先日、クライアントからこのような依頼を受けた。

報告書に加えて、別紙でサマリーを作成するケースはよくあるが、報告書そのものをここまで短くするケースは稀である。正直、かなり悩んだ。

コンサルタントの報告書に限らず、ビジネス文書の目的は、相手に何らかの行動を促すことである。その目的さえ達成できれば、文書は出来るだけ短く、シンプルである方が良い。
一方で、我々コンサルタントは、(仕事の内容にもよるが)「報告書」という紙に対価を頂くことが多い。この場合「必要な情報は、漏れなく・正しく伝えた い」「プロジェクトの成果はきちんと残したい」という意識から、自分が作った資料をばっさり捨てることに対して、躊躇が生まれる。
このジレンマと戦いながら、「伝えるべきことは何なのか?」をとことん突き詰めていく。まさに「文書を”研ぐ”」という表現がぴったりの作業であった。

今回改めて感じた、短く分かりやすい文書を書くためのポイントは3つ。

1. 「結論」と「根拠」だけに絞りこむ。
論理的な文書とは、「結論」と、それを支える「根拠」が示され、相互のつながりが分かりやすいものである。周囲に余計な情報が散乱していると、肝心の結論 と根拠がぼやけて見えてしまう。「根拠」を補足する調査・分析結果、その前提事項、例外事項など、書いておきたい情報は山ほどあるのだが、それらは思い 切って削除するか、添付資料に回す。
報告書を書き始める前に、短文・数行で伝えたいことを書き出してみて、論理構成のチェックをしっかり行っておけば、どこを残してどこを削るべきか、明確になるだろう。

2.キーワードは有効。但し、丸めすぎない。
人は、複雑な文章は読みたがらない。分かりやすく、記憶に残るようなキーワードを使うのは有効な手法である。但し、丸めすぎて一般的な言葉に置き換えてし まうと、分かりづらいばかりか、読み手の判断を間違った方向に導いてしまう恐れがある。特に、「○○化」「○○力」などのワードには注意したい。例えば、 「拠点別・単品別の利益管理導入」を「利益管理の高度化」などと書き換えてしまうと、(耳なじみは良くなるが)具体的に何がどう変わるのかが全く分からな くなってしまう。

3.スリムな日本語で。
コンサルタントの報告書は、正しい日本語で書く必要はあるが、「丁寧」である必要はない。
「営業本部において使用されている社用車の管理システムにつきまして」
話し言葉としては違和感ないが、ビジネス文書としては冗長。「営業本部の社用車管理システムは」だけで十分通じる。余計な接続詞、助詞はないか、その形容詞は本当に必要か、意識して削っていくだけで、スリムで読みやすい日本語が出来上がる。

そういえば昔、上司から「報告書はダイヤと同じ。削ると、だんだん光ってくるよ。」と言われたことがある。今回の報告書作成を通じて、その意味が分かったような気がした。

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