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アビームコンサルティング株式会社
斎藤 岳氏 (執行役員 プリンシパル 経営改革セクター)
大学院修了後、コンサルティングファームを経て、2001年デロイト トーマツ コンサルティング(現:アビームコンサルティング)入社。以来、幅広い業界やテーマのプロジェクトに携わる。
2002年よりマネージャー、2009年より現職。
2008年、『1回の会議・打ち合わせで必ず結論を出す技術』を上梓。
大学院で農学系の研究を行っており、研究者の道に進むことも考えていたのですが、進路を決めるにあたって社会を見てみたいと思い、幅広い業界に対して就職 活動を行いました。そこで初めて出会ったコンサルティング業界に知的好奇心を刺激される仕事があると感じ、「今度は経営を研究してみるのもいいかもしれな い」と思ったことが、この業界に入ったきっかけです。当社に入社後、30ほどのプロジェクトに携わってきました。テーマもクライアントも実に様々。グルー プ会社の統廃合や売却に関する案件、新規ビジネスのビジネスプラン策定、新規ビジネスの管理・マネジメント、小売業界の業務改革に消費者調査の段階から関 わったプロジェクトなど、多くの経験をしてきました。
思っていたほど華やかではなく、調査やデータの分析などの地道な仕事がとても多いです。また、人対人の仕事なので、相手のことを理解し地道にコミュニケー ションをとっていくことも非常に重要。ロジカルに物事を見て判断し、価値を「創造」することがコンサルタントの役割だと思っていましたが、それ以上に「想 像」することがとても大切だと実感しています。言葉一つ発するにしても、相手の反応を予想し、またそれによってどのように部署が動き、会社が変わっていく かなど、論理的思考だけではカバーしきれない部分にまで思いを巡らせて動くことが求められます。
「プロジェクト志向」から「クライアント志向」へと変わったことですね。戦略系のプロジェクトの場合、プロジェクト期間内に成果物を出すということが最終 目標ではなく、その結果としてクライアントの売上アップや企業価値向上に貢献することが求められます。プロジェクトのゴール自体を決めるところから始まる ケースも多くあります。そうした経験を重ねることで、「プロジェクトを成功させよう」という意識から、「クライアントにとっての成功は何だろう」という意 識に徐々に変わってきました。また私自身のポジションが上がるにつれ、クライアント側の責任者と面と向かって話す機会が増えたことも、意識変化の大きな要 因です。目の前の仕事だけでなく会社の将来を考えている方と同等に話そうとすると、おのずとこちらも一歩先の視点を持つようになります。そこから「次に必 要なことは何か」というディスカッションが始まり、新しい仕事が生まれていく。当社には「Real Partner」という理念があるのですが、まさにその通りで、クライアント企業の真の参謀として、目標に対しての価値を出し続けることができていると 思っています。
マインド面とスキル面の両面があると思うのですが、マインドとしては、プロフェッショナルとしての意識を高く持ち、頼まれたことだけをやるのではなく、求 められている以上の価値を出そうとする姿勢です。とは言え、こちらの提案を押し付けるのでもいけません。相手と同じ席について、同じ目線で上下関係なくや りとりをしていくことが大切です。そのためには、スキルも必要になってきます。業界に関する知識はもちろん、コンサルティングのベースとなる基礎能力もあ ります。いわゆるロジカルシンキング能力、ヒアリング力、会議で仕切れるファシリテーション力など。クライアントと同じ目線でプロジェクトを推進していく ためには、複数の人の中で意思決定をしていかなければならないため、ファシリテーション力は特に重要です。
まず、クライアントと対等に話をするために必要な業界知識ですが、これはアサインからプロジェクト開始までの短期間でキャッチアップしなくてはなりませ ん。より効率的に吸収するために、まずは就職活動の際に学生が読むような業界本やwikipediaで概要をつかみ、頭を構造化します。そこに細かい知識 を入れこんでいくことで、スムーズに理解することができます。また、これは当社の強みでもありますが、当社にいる2000人以上のコンサルタントの中には 様々な業界から転職してきた方がいるので、詳しい人にヒアリングをします。みな快く教えてくれますよ。社内に蓄積されているプロジェクト事例も参考になり ますね。ロジカルシンキングやファシリテーション力といったコンサルタントとしての基礎能力の部分に関しては、とにかく実践の場で鍛えるということに尽き ます。経営層と直接やりとりを行うプロジェクトでは高いコミュニケーション能力が要求されますし、大規模プロジェクトを動かす立場になればマネジメント能 力が求められる。その時々の課題に取り組む中で、私自身もいろいろな部分の筋肉を鍛えてきました。
クライアントと同じ立場に立ち、ともにゴールを目指す。そうした戦略のスタイルは当社の経営改革セクターの強みであり、クライアントからも高い評価を得て います。しかしまだ世間での認知度はそれほど高くないため、より広く評価される組織に育てていきたいと思っています。クライアントサイドに立ったコンサル ティングを目指すと、どうしても目の前のクライアントのことだけに集中してしまいがち。もちろん全力を尽くすことは当然なのですが、それだけではなく先の ことにも目を向ける必要があると思っています。例えば、先ほどの「マインド」と「スキル」を高いレベルで持てるメンバーが一人でも増えれば、年間に1個2 個しかできなかったことが5個6個できるようになり、さらにその経験をシェアすることによって我々の経験が加速していきます。現在私は、自分が今までに経 験の中で学んだことを、本にまとめたり研修プログラムを作ることで抽象化し、後輩に伝えています。実践に勝る研修はないと思ってはいるのですが、体系が頭 に入っている上で経験することではじめて、スキルアップが可能だと思うからです。また、この教えるという行為は、自分自身にとっても再確認という意味で役 立っています。これから一緒に働きたいと思うのは、一緒に窮地を楽しめる人。やはりチームでやる仕事なので、大変だけど面白いという気持ちを共有しながら 仕事をしたいですね。

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