2015年問題 -システムエンジニア不足について-

リーマンショック以降、冷え込んでいた企業のIT投資が顕著になっているのに加えて、相次ぐ大型プロジェクトがシステムエンジニア不足に拍車をかけています。

この状況は、2015年-2017年ごろにかけてピークを迎える可能性が高く、また、東京五輪決定後IT業界における人材不足の状況が予想より長引くだろうと言われています。

政治への波及 -Political-

マイナンバー制度スタート

エンジニアを最も多く必要とするプロジェクトが政府のマイナンバー制度。2016年1月に運用開始となり、2015年-2017年は全国の地方自治体や政府機関のシステム改修が集中。銀行預金や医療に関する情報も紐付けされ、従業員の給与支払いなど大規模なシステム改修が必要となっています。


年金給付システムの刷新は2021年以降へ

日本の年金制度を支えるシステムのうち、記録管理システムと並ぶもう一つの柱である「年金給付システム」は、今回は刷新の対象に含まれていません。ITエンジニアの人材不足などの問題から、記録年金システムの刷新が完了した2021年以降に着手する可能性が高いと言われています。

経済への波及 -Economics-

マイナンバー特需は2.6兆円

大和証券の試算では、マイナンバー関連のIT特需は2.6兆円に上ります。その為、マイナンバー関連銘柄として、NTTデータ、NEC、富士通、日立、IIJなどの大手SI、これらの下請けとして開発を受託する中小企業、ICカード・電子カルテ・セキュリティやクラウドサービスに強い企業にも恩恵が波及する見通しです。


多くの開発案件が遅延?

上記マイナンバーシステムを代表格に、みずほ銀行や日本郵政のシステム統合など3000億~4000億円を投じる金融系の大型案件が目白押しになるため、エンジニア不足により、その他の開発案件が大幅に遅延する可能性があります。そうなると、システム発注待ちのユーザー企業の事業活動に影響を及ぼすことに。

社会への波及 -Society-

オリンピックにより人材不足は長期化

2015年が過ぎればすぐにシステムエンジニアの価値が下がるとは限りません。2020年には東京オリンピックの開催が決定していますし、団塊世代の高齢化による労働人口自体の減少もあり、IT需要が高まる要素はまだまだ控えています。この傾向は、今後5年間以降も続くという見解もあります。


エンジニアの流動

2015年問題では8万人のエンジニアが不足しているといわれていますが、今後、更にIT業界へ流入する「若者」の人手不足も深刻化する見込みです。一方で、IT活用に熱心な佐賀県が、日本マイクロソフト出身者をCIOに起用するなど、行政の情報システム部門にリテラシーの高いIT人材が引き抜かれる事例もあります。

技術への波及 -Technology-

自動化、自律化の普及

技術革新と2015年問題が重なり、システム開発のあり方が大きく変わり、運用の自動化や自律化がここ数年で急速に進むとも言われています。インフラ構築はIaaSに、開発もPaaSやSaaS、さらには「人工知能による開発」も登場し、テスト工程の自動化も進んで、数年内に「工数」は大幅に削減されていくでしょう。


新しい技術領域とキャリア格差

2017年以降のオリンピック需要では、ウェアラブル、IoT、ビッグデータ、HTML5、SaaS、PaaSといったクラウド前提のアジャイル開発が加速することが見込まれており、2015年の大型プロジェクトに参画したエンジニアは最新技術に接する機会が少なく、スキル停滞を招く可能性があると危惧されています。

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