記事掲載日: 2017/09/1 取材日: 2017/07/25

IoTによる変革を具現化し、未来をデザインする旗手に

日本アイ・ビー・エム株式会社へのインタビュー

日本アイ・ビー・エム株式会社

グローバル・ビジネス・サービス事業本部
IoTソリューション担当

理事 パートナー

広橋 さやか

#1 アイ・ビー・エムが世界に先駆けて展開する「コグニティブIoT」とは

Q:広橋さんのこれまでのご経歴と、現在携わっている事業の概要について教えてください。

私は大学で電子工学を学んだ後、新卒で日本アイ・ビー・エムに入社しました。入社当初は情報システム部門に所属して、主に社内システムの開発に携わっていましたが、その後、ITコンサルティングを担うようになりました。

当初はお客様のシステム開発や改善に関わるプロジェクトが多かったのですが、日本の製造業の間で新規事業確立や新製品開発への注力が強まる中で、R& D(研究開発)関連のプロジェクトに携わるようになり、組込みソフトウェア開発支援やプロセス改革の経験を積んできました。

そして近年、IoTという領域を通じてイノベーションを目指す企業が世界的に急増し、日本の製造業でもIoTを活用した製品開発や工場などのプロセス改革へのニーズが高まってきました。

私もまた、ConnectedVehicle(つながるクルマ/IoT)のソリューション・オーナーとして自動車メーカーの様々なチャレンジに携わるようになりました。

現在はIoTソリューションのパートナーとして、主につながる車や自動運転支援のシステム構築をはじめとする「クルマのIoT化」や、広く製造業・流通業を対象にしたIoT構想の策定やそれに基づくシステム構築、「工場のIoT化」といった領域に携わっています。

IoTとは、あらゆるモノがインターネットを通じてクラウドなどにつながることで、これまで実現できなかった機能や性能、クオリティを達成していくことを指します。このIoT化を支援するコンサルティングにおいては当然ながら、インターネットのこと、クラウドを活用したシステムのことに通じていることが求められます。

また、アイ・ビー・エムが世界に先駆けて展開している「コグニティブIoT」では、WatsonをはじめとするAI技術も活用されます。製造業の製品開発にIoTを導入しようとすれば専門性の高いR&D領域と向き合うことになりますし、工場をIoT化するとなれば、産業ごと企業ごとに異なる業務に対する知識も問われることになります。言ってみれば、他に例を見ないほどの多様な知見を集約し、前例のない局面で結果を出していくことが求められる難しいミッションなのですが、だからこその面白味がある、と私は捉えています。「アイ・ビー・エムのIoTソリューション・チームでしか経験できないチャレンジ」というものを楽しみながらやらせてもらっています。

例えば今、ホンダのレーシング・データ解析でも弊社のシステムが活用されています。世界のモータースポーツの頂点で、クルマのパワーユニットの可能性が限界まで追求されています。時速300キロを超えるスピードで走行するパワーユニットから、リアルタイムにデータを抽出し、それを日本にある司令室がインターネット経由で掌握し、なおかつリモートで指示したりする取り組みも、ホンダという世界最高峰の技術を持つメーカーとアイ・ビー・エムが手を組んだからこそ実現できたことなのです。

#2 IoTによってビジネスをデザイン思考する

Q:「IoT」というキーワードは一般にも浸透しましたが、今ひとつ具体性が見えてきません。例えばどんな変化が起きているのでしょう?アイ・ビー・エムは何を提供しているのでしょう?

製品とインターネットをつなぎ、その製品が使われている状況をデータとして集約して、可視化するという取り組みはすでに一般化してきています。けれども、IoTがデータ収集の手法としてだけ使われている状況からは、あまり「新しい魅力的な何か」は見えてきませんよね。

大切なのは、その先だと思うんです。

収集したビッグデータを分析し、活用して、何ができるのか。アイ・ビー・エムはそれを提供しているから、いくつもの具体事例が築かれているのだと自負しています。

一方で、私たちは今、ビジネスをデザイン思考するという姿勢を積極的に進めています。例えば私たちはクルマのIoT化によって自動運転を現実味のあるものへと近づけているわけですが、それが現実のものとなれば、新しいビジネスが生まれてくるだけでなく、人々の生活も一変させることになります。

2016年にアイ・ビー・エムはWatsonを導入した自動運転バス「Olli」をワシントンDCで運行しましたが、そこでの利用体験からも様々な可能性が見えてきました。自動運転が人をどれだけ楽にして、どれだけ余剰時間を生み出して、その時間に人は何を求めるのか……。その分析を進めていくことで、さらに新しいビジネスチャンスも生まれ、さらに人々のライフスタイルを変革していくわけです。IoTに秘められている可能性は無限にありますし、ビジネスばかりでなく世の中を変える力があるということ。その醍醐味は、具体的な取り組みを繰り返している私たちだからこそ実感できるんです。

#3 アイ・ビー・エムが考える「IoT時代に求められる人材」とは

Q:IoTソリューションのチームでは今、人材の採用を強化しているそうですが、ここで活躍するのはどのような人物像なのでしょうか?

IoTソリューションのチームでは、いわゆるコンサルタントと、ITスペシャリスト、ITアーキテクトと呼ばれる開発者とがプロジェクトチームを形成して、ともに動くスタイルをとっています。

コンサルタントとして求められる素養を言うとすれば、自社の業務改革や製品開発に関わるコンサルティング経験をある程度持ち、お客様の現場に届く提案をできるかたであれば、と考えています。R&Dに絡むコンサルティングでは、どうしても高い専門性が問われたりしますが、一定のベースさえお持ちであれば、私もかつてそうだったように、キャッチアップしていくことは可能です。

技術領域の人材については、20代のかたであれば、ソフトウェア開発に携わったことさえあれば、IoTについての経験値を保有している必要はありません。新しい技術への習得意欲の高い方を望んでいます。30代以上のかたの場合は設計リーダーとして活躍していただきたいと思っていますので、クラウド関連の技術にも造詣があり、アーキテクチャー設計をリードしていけるかたを望んでいます。

以上が現実的な条件面のお話ですが、いずれにしてもIoT領域はまだまだ新しいですし、複雑多様な技術や発想が関わってくる場ですから、そうした場を「面白い」と感じてくれることが何よりだと思います。また、弊社が携わる案件は特に海外展開やグローバルな連携が伴うことが多いため、そういう部分にも関心が高く、モチベーションを高めてくれるかたであればなお嬉しく思います。

今後、IoTは生産拠点である工場や、流通の現場にもどんどん採り入れられていきます。そこでも人材が不足してくることが予想されており、生産拠点、流通拠点が抱える複数階層に及ぶ問題の解決で力を発揮できるようになれば、必ず活躍できると考えています。

また、弊社は米国を中心に医療やヘルスケアの領域でのIoTおよびCognitive技術を活用したプロジェクトを多数実施しており、成果を上げています。日本でも今後ニーズが拡大していくことと予想しています。それだけ将来的な可能性を備えたIoTというものに、早いタイミングから参画し、画期的な成果をともに上げていけるかたとぜひ出会いたいと願っています。

取材協力: 日本アイ・ビー・エム株式会社

事業内容: IBMでは、約40万人の社員が世界170カ国のお客様に製品やサービスをご提供しています。また、7カ国9カ所の研究所では、科学者や研究者が最先端の技術研究・開発に貢献しています。
IBMは、企業や公的機関などのお客様向けに「ハードウェア(システム&テクノロジー)」「ソフトウェア」「コンサルティングサービス」の3つを中心にビジネスを行っています。
設立年月日:1937年 6月 17日 資本金: 1353 億円

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