【2018年最新版】ハイクラス・エグゼクティブ層の転職動向

ハイクラス・エグゼクティブ層の転職動向

掲載:2015年 7月 10日 更新:2018年 3月 5日

ハイクラス・エグゼクティブ層の転職動向

足元の堅調なマクロ経済を背景に、新規事業・グローバル・IT投資が進んでいるため、
ハイクラス・エグゼクティブ層の求人は活況。

海外では北朝鮮問題や中国の成長鈍化などの懸念材料はあるものの、国内では、製造、医療、商社/流通、IT/Web、サービスなど幅広い産業が好調で、新規事業やグローバル案件が活性化しています。(一方、金融業界は減少傾向にあります)2019年になると10月に実施予定の消費増税の影響が出る可能性がありますが、2018年の転職市場は求人数が豊富な状況が続き、転職希望者にとっては有利に転職活動を進められそうです。

採用の決め手となるポイント

ハイクラスの人材になればなるほど、転職サイトを閲覧するだけでは得られない企業内の事情や競合企業や業界トレンドなど多岐にわたる情報を持った上で面接に臨んでいただく必要があります。また、経営層の求人となれば、思考や行動のベースとなる価値観や仕事観の相性が重要になってきます。

ハイクラス・エグゼクティブ層の注目キーワード

グローバル

これまで海外・特にアジアは製造業の生産拠点として重要な役割を担ってきました。しかし、日本国内では少子高齢化が加速し、内需が年々縮小する中で、今や製造業に限らず多くの企業が海外市場に販路を求めないと生き残れない、というところまで追い詰められています。

ここ数年、海外現地採用の人的ニーズが東南アジアを中心に拡大し、それに伴い日本語・英語の2言語を使えるマネジメント層の求人ニーズが急増しています。政府の支援も得られるため、特に東南アジアを中心に、当面事業投資が更に活発になると考えられます。

ただ、市場が成熟している中国やインドから、まだ未成熟なインドネシア、フィリピン、ベトナム、カンボジア、ミャンマーなどにシフトしていくものと思われます。日系企業のうち、自動車、半導体、産業用ロボットや工作機械などの業界において求人数が堅調で、ものづくり系エンジニア職(機械設計 設備設計、生産技術、品質管理)や専門職(社内SE、企画・管理)の求人は増加傾向にあります。製造業以外では、事業拡大に向けて新規開拓・アライアンスを担う営業職の採用ニーズが強いです。

ベンチャー

ベンチャー企業による資金調達額は2015年に1,700億円超、2016年には2,241億円、2017年は過去最大の2,717億円となりました。 1社あたりの調達額が年々増加していて、大型調達が続いています。

実際、2017年で10億円以上の金額を集めた企業は58社となり過去最高。50億円以上を調達した社数も7社となりました。新規上場のIPO銘柄で見てみると、家計簿アプリ大手のマネーフォワード、機械学習技術に強みを持つPKSHA Technology、ビジネスSNSのウォンテッドリーなどインターネット業界が多数ありました。また、未上場ながら調達規模で最も大きいPreferred Networksは128億円(うちトヨタから約105億円を調達)と注目されました。そうしたベンチャー企業は、経営基盤の安定化(バックオフィス募集)、海外への事業展開(グローバル人材の募集)、組織体制の強化(ラインマネジメント経験者の募集)のため、経験豊富なハイクラス・エグゼクティブ層を求める傾向にあります。

こうした企業で働く魅力としては、世界はもっと便利で良くしたい「ビジョン」と、そのビジョンに共感した優秀な「人材」と働けるということ。また何と言っても「自分でビジネスを回していく感覚」を持てることだと思います。

IT/テクノロジー

多くの企業が経営課題としてデジタルによるビジネス変革を掲げ、専門スキルを持ったIT人材の獲得を進めています。既存システムの大型リプレイスに加えて、クラウドを起点としたインフラの整備やグローバル拠点のシステム統合など、経営戦略の実現を目指した「攻めのIT投資」が積極化しています。特に、AI、ビッグデータ、IoT、RPA、Fintechなどのデジタル領域の求人数は年々伸張しており、ITコンサルティングやインターネット企業のみならず、事業会社の情報システム部門においてもシニア・ミドルクラス採用を行っています。

これまで積極的に中途採用をしてこなかった大手製造業をはじめ、食品メーカー、金融機関、総合デベロッパー、商社などのオールドエコノミーがデジタル領域の組織強化のため、CIO(最高情報責任者)~情報システム部長クラスのプロフェッショナル人材を積極的に採用しています。

また今後、残業時間削減、在宅勤務・時短勤務の推進など働き方改革の取り組みによって、この流れはより加速すると考えられます。

ハイクラス・エグゼクティブ層の転職成功事例

転職前 -Before-

外資系大手ITベンダーの事業企画

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転職後 -After-

医療・ヘルスケアの事業部長

新卒で外資系のITソフトウェアベンダーに入社され約20年。営業企画、ファイナンス、経営管理など幅広いポジションを歴任した後、米国の某大学に留学。
直近では、グループ子会社の役員として全社業務改革、ITシステム設計、人材開発などのチェンジマネジメントを行っていらっしゃいいました。
論理的で的確、またお人柄も嫌味のない性格で本人も「今まで人が嫌いになったことはない」と言い切るほど。修羅場や逆境でも最前線で楽しめる強いリーダーといえる方でした。一方で、強い成長意欲と、新しい領域への好奇心が強く、新たなフィールドで更なる挑戦ができないものかご相談を頂きました。

当初、ご本人様のご志向としては、「新しいビジネス環境に挑戦したい」というやや漠然としたものでしたが、お話していく中で、IT領域に留まらず、今までとは異なる新興企業で「組織をゼロから作り上げる」「新規ビジネスを創出する」という環境を求めていらっしゃることが分かりました。

我々からのご提案としては、これまでのご経験を最大限活かしつつのチャレンジという目的を達成できる医療・介護のベンチャー企業をご提案させて頂きました。未知の領域ではあるものの、IPO間もない第二創業期の医療・ヘルスケア企業の事業リーダーに魅力を感じ、転職を決断されました。

同社の事業課題とご本人様の事業・技術の強みが高いシナジーを生み、双方共に一段高いレベルにアップされるに至った大変印象深いご支援でした。

転職前 -Before-

SCMコンサルタント

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転職後 -After-

Eコマース運営会社の
サービス企画・事業開発

新卒から小売・流通業界で、店長からSV、店舗管理、新業態開発などを経験。直近5年間は、小売・流通に強みを持つコンサルティング会社にて、顧客向けに購買・サプライチェーンマネジメントの構築を経験されていた方でした。現状のお仕事には満足されていらっしゃったものの、お子さんが2人(3歳と生後2ヶ月)がいらっしゃり、現職のタフな労働環境を改善したいというお気持ちが強く、かつ長期的にクライアントに入り込んで持続的な成長を支援するコンサルティングを希望されていらっしゃいました。お人柄は、論理性、戦略性の高さと実行力、意思の強さを兼ね備える印象を持ちました。

弊社からはご本人様の経験を活かせる、このEコマースの企業と、ハンズオン型コンサルティング会社をご紹介。ちょうどその頃、あるEコマース事業を行う会社の人事役員から新しく、物流センターの立ち上げを考えているので採用を助けてほしいとご連絡がありました。早速、役員にアポイントをとりN氏を強く推薦したところ、評価が高く書類通過し、そこからトントン拍子で内定がでました。選考途中では、コンサルティング会社との迷いはあったものの、面談当初におっしゃっていた「リアル感・リスク感を感じて」「事業にどっぷり入り込みたい」という強い想いと、今までのキャリアを昇華させるという意味で、Eコマースの事業会社をお薦めしました。最後は、社長面接で会社理念とご本人の方向性が一致し、迷いなく決断されました。

転職前 -Before-

日系SI 営業事業部長

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転職後 -After-

外資系ソフトウェアベンダー
コンサルティングサービス営業マネジャー

新卒で金融機関の営業を経て、第二新卒でSI営業へキャリアチェンジ。営業実績を出され営業課長やマーケティング領域も任され、新規大手顧客を複数受注し成功に導く。実績を買われ、事業部長に昇進。自らもハイタッチでTOPセールスを推進しながら、次期役員候補として期待されておりましたが、しがらみが多い中で、新しい事業投資の可能性も少なかったため、役職ではなく、今までの経験を活かして営業スキルを伸ばしていきたいというご相談を受けました。

当初、ご本人様のご志向としては、長年日系企業で勤務してきたため、また英語が不得意という側面もあり日系企業を中心にお考えでしたが、お話をしていく中で、イノベーティブな組織である事、変化がある組織である事への優先順位が高い事がわかりました。また、システムで顧客課題を解決していく事はもちろん、システムを含めたソリューションを提供して顧客へのイノベーションを起こしたいという観点から、自社サービスをもっており、会社としてソフトウェアからサービスの提供に移行されているをご提案させていただきました。確かに海外本社の意向が経営にダイレクトに影響を及ぼしますが意思決定スピードの早さ、日本市場でのビジネスを変革していく過程において自らが求めていた変革、変化に富んだ環境がある事に魅力を感じ、転職を決断されました。