有給休暇を活用しよう!

最終更新 : 2018.5.2

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転職活動をする時、あるいは転職先が決まって退職する時に、気になるのが残っている有給休暇の扱いです。

そもそも有給休暇とはどんな制度なのか、利用する上でどのような注意点があるのかを知った上で、転職を円滑に進めるために有効活用しましょう。

有給休暇とは その仕組みについて

有給休暇について調べる人のイメージ-type転職エージェント

有給休暇とは?取得条件について

有給休暇(年次有給休暇)とは、取得しても賃金が支払われる休暇であり、労働基準法で定められた労働者の権利です。

週休日とは別に一定日数の休暇を与えることで、労働者が心身のリフレッシュやストレス解消を図ることを目的としています。

労働基準法では、次の2つの条件を満たす従業員に対して、会社は有給休暇を付与しなくてはいけないと定めています。

 
 
  • (1)会社が雇い入れた日から、6ヶ月間継続勤務している
  • (2)全労働日の8割以上出勤している
 

この条件を満たした従業員には、最低10日の有給休暇が与えられます。その後は、勤続勤務年数が1年増えるごとに、与えられる有給休暇の日数も増えていきます。(下図参照)

雇い入れ日から起算した勤続期間 付与される休暇日数
6ヶ月 10日間
1年6ヶ月 11日間
2年6ヶ月 12日間
3年6ヶ月 14日間
4年6ヶ月 16日間
5年6ヶ月 18日間
6年6ヶ月間 20日間

有給休暇には時効がある

労働基準法では、「年次有給休暇は、労働者が請求する時季に与えること」と定めています。

つまり、自分に与えられた日数以内であれば、基本的に好きな時に有給休暇を取得していいということです。

ただし、1つだけ例外があります。
それは、会社に「時季変更権」が認められた場合です。

これは、「年次有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合に、有給休暇の取得時季を変更できる」という権利です。

よって繁忙期などに、会社が「この期間に休まれると、事業や業務に支障をきたす」と判断した時は、従業員に有給休暇を取る時季を変えてもらうよう求めることができます。

また、有給休暇には「時効」があることも知っておきましょう。

有給休暇を消化できなかった場合は、次年度へ繰り越すことができますが、付与された日から2年が経つと時効になり、未消化の有給休暇は消滅してしまうので注意が必要です。

有給休暇の特徴をまとめたイメージ-type転職エージェント  

有給休暇取得が義務化される?

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低すぎる日本の有給取得率

このように、有給休暇は働く人たちの当然の権利であり、本来なら取得するのに遠慮やためらいはいりません。

労働基準法でも、会社側は有給休暇の取得を申請した従業員に対して、賃金を減額したり、各種手当や賞与の額を算定する際に有給休暇を欠勤扱いにするといった不利益な扱いをしてはならないと明確に定めています。

ところが日本の従業員の有給取得率は、世界的に見ても低い水準に留まっています。

厚生労働省の調査によると、日本国内の労働者が取得した有給休暇の平均日数は8.8日、有給休暇の取得率は48.7%と5割を切っています。(厚生労働省「平成28年就労条件総合調査の概況」より)

厚生労働省が有給休暇の取得を推進

そこで厚生労働省では、平成28年から労働基準法改正に向けた調整を進めていて、その柱の1つに「年次有給休暇の取得推進」を掲げています。

具体的には、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、そのうち5日は会社が毎年時季を指定して有給休暇を消化させることを義務づけるとしています。

ただし、すでに5日以上の有給休暇を取得している場合は、この義務は生じません。
つまり、年に5日の有給休暇を取ることさえ難しい労働者が多いという現状を改善することが、義務化する最大の狙いということです。

少子高齢化による経済構造の変化やグローバル競争の激化などにより、企業の経営モデルも方向転換を迫られています。

より効率的で高い付加価値を生み出すことが可能な働き方を実現するには、従業員の休暇の取得を促進し、心身をリフレッシュしながら生きがいや働きがいを感じられる労働環境を整備することが不可欠です。

こうした背景から、企業経営に好影響をもたらすための施策として、厚生労働省が有給休暇取得の義務化を目指しているのです。

有給休暇についての国の考え方の変化を表すイメージ-type転職エージェント

有給休暇の買い取りについて

有給休暇の買取を検討している人のイメージ-type転職エージェント

とはいえ、どうしても有給休暇を消化できないケースはまだまだ多いので、「休めなかった日数分を買い取ってもらえればいいのに」と考える人もいるかもしれません。

しかし原則として、会社が有給休暇を買い取ることは認められていません。
有給休暇はあくまでも「従業員を休ませるための制度」なので、会社がお金を出せば従業員を休ませなくていいと認めてしまうと、有給休暇という制度の本来の意義が損なわれてしまうからです。

ただし例外として、退職時に消化しきれていない有給休暇があった場合は、残りの休暇を会社が買い取ることが認められています。

とはいえ買い取りは義務ではありませんから、会社に断られることもあります。

退職時に余った有給休暇の扱いについては、会社の就業規則に記載されていることもあるので確認してみましょう。記載がない場合は会社と個別に交渉することになりますから、対応はケース・バイ・ケースになると考えてください。

転職活動への有給休暇の活用!有給取得理由をどう説明する?

有給取得理由説明に迷う人のイメージ-type転職エージェント

有給休暇はまとめて取得できる!

  

退職が決まった後でも、残っている有給休暇をまとめて取得することは可能です。

最初に説明した通り、有給休暇の取得は労働者に与えられた正当な権利であり、基本的に会社が労働者からの有給休暇の申請を拒否することはできません。
これは退職を申し出た後でも同じです。

よって退職前にまとめて有給休暇を取得し、その間に転職活動したり、転職後の仕事に必要な資格取得やスキルアップのために使うことができます。

普段は業務が忙しくて転職活動のためになかなか時間をとれないという人は、この期間を有効活用して、集中的に転職活動を進めることもできます。

すでに転職先が決まっている人は、新しい仕事に万全の体制で臨めるよう、有給休暇の間にしっかり心身をリフレッシュさせるという使い方も可能です。

有給休暇の取得理由の伝え方

なお、退職にあたって有給休暇を申請する場合、取得理由は「退職時の有給所得のため」とすれば問題ありません。

わざわざ「転職活動のため」「転職に向けたスキルアップのため」などと伝える義務はありませんし、会社側が取得理由によって有給休暇の申請を却下することもできません。

また、前述した「時季変更権」も、退職が決まっている人に対しては使えません。よって、退職を間近に控えた人から有給休暇の取得を申請されたら、会社が時季を変更するよう求めることはできないので、本人の意思で取得期間を決めることができます。

有給休暇をまとめて取得する方法2つ

ただし当然ながら、有給休暇はその会社に在籍している間でなければ取得できません。
退職前に有給休暇をまとめて消化するには、以下の2つの方法があります。

 
 
  • (1)最終出社日の翌日から有給休暇を取得し、消化期間の最終日を退職日とする
  • (2)有給休暇を消化し終えた翌日に出社し、その日を退職日とする
 

どちらを選択するかは本人の自由ですが、大事なのは職場に迷惑をかけないこと。

円滑に業務の引き継ぎを行うには2つの方法のうちどちらがよいか、上司や仕事の関係者と相談しながら決めることが必要です。

退職日を決める際は、まずは残っている有給休暇の日数を確認し、さらに引き継ぎに必要な期間を考慮した上で、会社と相談するようにしましょう。

まとめ

有給休暇を取得できている職場のイメージ-type転職エージェント

有給休暇の取得は労働者の権利ですが、退職するからといって会社や職場の都合を一切考えないのは、社会人としてのマナーに欠けます。

有給休暇を有効活用するには、制度や仕組みを理解した上で、周囲との調整や業務の引き継ぎがきちんとできるよう準備することが必要と心得てください。

  • ◆ 有給休暇(年次有給休暇)とは
    1. ・ 取得しても賃金が支払われる休暇であり、労働基準法で定められた労働者の権利のこと
    2. ・ 有給休暇には「時効」があり、未消化の有給休暇は消滅してしまうので要注意。
  • ◆ 厚生労働省は有給休暇取得の義務化を目指す
    1. ・ 日本の有給休暇の取得率は5割を切っている現状
    2. ・ 厚生労働省は、企業経営に好影響をもたらすための施策として、有給休暇の取得推進を掲げている
  • ◆ 有給休暇の買い取りについて
    1. ・ 退職時に消化しきれていない有給休暇があった場合は、例外として残りの休暇を会社が買い取ることが認められている。
    2. ・ ただし対応は会社によるため、個別に交渉が必要。
  • ◆ 有給取得理由をどう説明する?
    1. ・ 有給休暇はまとめて取得できるため、転職活動に充てることができる
    2. ・ 取得理由は「退職時の有給所得のため」とすれば問題なく、詳細に伝える義務はない
    3. ・ 有給休暇は在籍中しか取得できない
    4. ・ 有給休暇をまとめて取得する場合は、引き継ぎに必要な期間を考慮した上で退職日を決める
  
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